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【review】“平成最後の怪物”から“令和の怪物”へ。新時代の戦いぶりで花岡竜が新王者に

 12月15日(日)後楽園ホールで開催された『RISE 184』のメインイベントで、前王者・大﨑一貴が返上した第3代RISEスーパーフライ級(53kg)王座を懸けて同級1位・政所仁(魁塾)と同級3位・花岡竜が激突した。
 政所はバルカン砲と称される回転の速い打撃を武器に、長らくRISEのランキング上位で活躍し、今年6月に今回のタイトルを保持していた大﨑に挑戦したが、判定負けでチャンスを逃したばかり。
 一方の花岡はジュニア時代からトップ戦線で活躍し、アマチュア時代には28冠を達成する驚異的な記録を叩きだしたことから付いたニックネームは“平成最後の怪物”。2022年から参戦したRISEだけでなく、ムエタイなどの様々なルールでキャリアを重ねつつ、今年6月には若手有望株の長谷川海翔に勝利し連勝したことで今回の一戦につないだ。 
 政所と花岡の両者はこれまでに2022年8月と2023年11月の2度対戦し、初対決時には花岡がTKO勝利、再戦では政所がKO勝利を収めており、1勝1敗。昨年の再戦で政所が1Rに飛びヒザ蹴りでダウンを奪った上に、左フックを浴びせてダウンを追加して、花岡に初のKO負けを味わわせたことで、政所優位の予想が多い中ゴング。
 1Rからハイスパートの打撃戦が繰り広げられる中、花岡は政所の連打をぶつ切りする前足での軸足刈りでペースを握らせない。2R以降も花岡はステップを踏みながら頻繁にスイッチしてからの多彩な技で翻弄していく。政所は決定打を当てたいところだが、花岡は寸前で相手の攻撃を交わすマトリックス避けで被弾を許さず。最後までスタミナを切らすことなく、動き続けて手数を出し続ける新時代の戦いぶりを存分に見せ付けた花岡は、ダウン奪取は一度もないものの50−46、50−45、50−45という大差を付ける圧勝ぶりで新王者に輝いた。
 花岡は試合後に「相手にペースを握らせない、自分から攻めていくゲームプランでした。フェイント、距離やスタンスとかを練習していたことが自分でもこんなに出せるとは思いませんでした。僕の強みは倒せないわけでもないけれど、相手の良いところを消すというか、相手の致命的な一発をノーガードで避けることが好きなので、それが出来ました」と勝因を分析する。
 今後については「大﨑選手が海外選手とやっていくということなので、国内は俺が引っ張っていきます。僕が目指しているのは大﨑チャンピオンなのでもっともっと強くなって僕が国内最強になった時に、大﨑チャンピオンを当ててもらいたい」と大﨑とのRISEスーパーフライ級最強決定戦の実現を目指すとする。
 これから“令和の怪物”がどこまで進化・成長するのか。そして、この男を誰がストップするのか。ますますRISEの軽量級戦線が面白くなってきた。

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