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【preview】DEEP120は点と点を結ぶ線を見てほしい。フェザー級:神田×木下、ライト級:野村×泉

7月14日(日)、東京都文京区の後楽園ホールでDEEP120 IMPACTが開催される。今大会ではRoad to UFCで敗れ、さらにDEEPのベルトを失った神田コウヤが木下カラテと再起戦を行う。

2023年は神田にとって勝負の1年だった。2月に五明宏人との王座決定戦を制し、獲得したDEEPフェザー級のベルトを引っさげてRoad to UFCにエントリーする。5月にはトーナメント初戦で中国のイープークールーを下し、準決勝へ。しかし8月の準決勝でリー・カイウェンに敗れ、念願であったUFCとの契約は成らなかった。

さらに今年3月、過去に一度勝利している青井人を挑戦者に迎え、DEEP王座の初防衛戦に臨んだものの判定負け。結果、キャリアの中で大きすぎる2連敗を喫してしまった。ここで神田はRIZIN参戦を希望したようだが、対海外強豪選手の路線を復活させ、日本人出場枠が減ったRIZINに出ることはできず。神田によれば今後はRIZIN、あるいは再びRoad to UFC出場を目指して戦っていくという。

そんな神田が復帰戦として迎え撃つ木下カラテは、MMA戦績こそ8勝7敗1分とほぼイーブンだが、2023年からDEEPに戦いの場を移して以降の充実ぶりはすさまじい。RIZINで久保優太に敗れた一戦以外は、畠山祐輔を右フック、梶本保希をカウンターの三日月蹴り、そして五明を首相撲からのヒザ蹴りで沈めている。サウスポースタンスでガードを上げ、どんどん距離を詰めるスタイルが功を奏しており、この点は神田も警戒しているようだ。

木下としては、五明と神田を連覇すれば間違いなくベルト挑戦に近づくはず。そのためにも神田にインパクト大のKO勝ちを収めたいところ。神田もここで木下に敗れてはRIZINやUFCにも届かないであろうだけに、明確な勝利を掴み取りたい。

この神田×木下がDEEPフェザー級戦線を大きく動かす一戦だとすれば、野村駿太×泉武志はライト級において同じ意味合いを持つ。泉はデビュー直後こそ2連敗を喫しているものの、現在は5連勝中。2023年には小金翔、北岡悟と同級トップファイターを連破しており、あと一歩でベルト挑戦というポジションにいる。

泉にとって現時点で最後の黒星は2022年7月、野村につけられたものだ。野村も泉を下したあと、小金さらに川名TENCHO雄生と元タイトルホルダーに勝利したものの、2023年7月に現同級王者の江藤公洋に判定負け。その後、江藤がイ・ソンハからベルトを奪取した時点で、Black Combat参戦中の大原樹理を除けば王座挑戦に最も近い存在だろう。つまり、この試合は勝者がそのまま江藤に挑んでもおかしくない、挑戦者決定戦の意味合いを持つ。

ここがDEEPのマッチメイクの醍醐味といえる。国内の老舗MMA団体とよばれるなかでも修斗とパンクラスは各階級でランキングを設けており、ランキングの上下によってタイトル戦線も分かりやすくなる。一方でDEEPにはランキングが存在していないが。その分マッチメイクの意味を考えていくと、ファンにとっては試合への興味と今後の流れがイメージしやすくなるに違いない。

それはメインとして組まれた鈴木慎吾×佐藤洋一郎のDEEPウェルター級タイトルマッチと、阿部大治×嶋田伊吹の一戦も同様である。1試合1試合の内容——点だけでなく、点と点を結ぶ線=各階級の展望も想像しながら見ると、より興味が深まる今回のDEEPだ。

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