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【コラム】【あの頃君を追いかけた(11)】RISE王座戴冠記念、ジュニア時代の安本晴翔を振り返る2(執筆者:安村 発)

前回からの続き)遂に行われた藤原杯の第二回大会『All Japan Kick Jr Kick藤原敏男杯2013』(2013年3月31日)。

日本最強を決める大会”と謳われたジュニア大会だっただけに、北海道、東北、関東、中部、関西、中四国、九州、沖縄の8地区の予選大会を勝ち抜いた全7階級52名の強豪ジュニア選手が決勝大会に集結。前回の旗揚げ大会も豪華メンバーだったが、各階級を振り返ると今大会も凄かった。

25kg級には、のちにWBA世界ライトフライ級9位となり、ボクシング界で将来有望視されていた故坂間叶夢、30kg級にはのちにK-1で活躍する松本一輝(=壬生狼一輝)、45kg級には前回大会で優勝しており、のちにボクシング全日本学生選手権二連覇を果たす高野草子(=牧野草子)、50kgh級にはのちにKNOCK OUTで活躍する大脇武、現在はタネ ヨシキのリングネームの多根嘉輝、55kgには前回の藤原杯50kg級覇者であり、“ジュニアのパウンドフォーパウンド”の那須川天心がエントリー。

そして35kgには、前年度の第1回大会では30kgでエントリーし、今回は一階級を上げての参戦となった安本晴翔が登場した。35kg級はジュニアで競技人口が多く、今大会にも最多の9人が出場と最激戦区の階級に。

今大会で天心、高野が二連覇を達成し、安本も当然二連覇を果たすかと思われたが、準決勝で隆拳塾の関本鷹介に敗れるという波乱が起こった。※優勝は吉田黎斗(スタージム園部道場/関東地区代表。

大会終了後、会場だった大森のゴールドジムを出ると安本本人もかなりショックだったか、肩を落としながらお母さんと一緒に歩いている姿が今でも鮮明に覚えている。

その後も安本は変わらず毎週開催されている各団体のジュニア大会には定期的に出場し、連勝を重ねていく。

そして、1年後の3月に迎えた第3回目の大会となる『All Japan Jr Kick 藤原敏男杯 全国大会』。前大会に引き続いて、今大会でも現在プロで活躍する選手たちが集結しており、50kg級には二連覇を狙う多根嘉輝、45kg級にはのちにRISEバンタム級王者となる大孔稀、25kg級には、のちに史上最速でラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王者となる松田龍聖がエントリー。そして、昨年からさらに階級を一つ上げて40kg級に安本が関東地区代表としてエントリーした。

昨年に優勝を逃した屈辱を晴らすべく、気合い十分の安本は順調に勝ち上がる中、決勝戦で立ちはだかったのは現在シュートボクシングの上位ランカーとして活躍する坂口魁斗(リングネームは魁斗)。ハイレベルな打撃戦が繰り広げられた末に、安本が判定勝利し藤原杯で二度目の優勝(2023年8月、RISEのリングで対戦した両者は魁斗が判定勝ちしている)。前大会で落としたことがものすごく悔しかったのだろう。今まで大会で見たことのない喜んだ姿を見て、ずっと試合を見てきた私自身もホッとしたものだった。

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