毎回、好カードが並ぶ大阪で開催されるRISEビッグマッチ。今大会注目は、RISEの超実力者が集う軽量級層のスーパーフライ級(-53kg)とフライ級(-51.5kg)の5カード。そしてRISE現役王者勢が海外強豪を迎え撃ったスーパーファイトといえるだろう。
オープニングファイト4試合を含む全18試合のメインイベントは、RISEスーパーフライ級タイトルマッチの王者・大﨑一貴に挑戦者・政所仁が挑んだ一戦に。この日、大阪では真夏かと思ってしまうほどの最高気温30.6℃をマーク、タイトルマッチでも熱気を帯びる激闘となった。
今回2度目の防衛戦を控えた大崎は2020年2月からRISEを主戦場にし、同年9月には田丸辰を破って、異例な早さで第2代スーパーフライ級王座を戴冠。その後、ISKA世界王座を奪取するなど、国内トップクラス選手との試合をクリアーするなど19連勝をマーク。翌年7月に田丸にリベンジを許し連勝記録は止まったものの。同年12月にムエタイ強豪ジャルンスックを破って復活を果たし。今年3月にISKA世界王座初防衛に成功と、まぎれもない王者中の王者。
対する政所は23年7月に風音に勝利し、同年11月に次期挑戦者決定戦ともいえる4人制ワンデートーナメント「NEW WARRIORSトーナメント」の初戦で花岡竜をKO、決勝戦で12戦無敗の超新星・長谷川海翔を大方の予想を覆してKO勝ちで、今回のタイトル挑戦へとつないだ。“53kgの国内最強決定戦”とも謳われた一戦で]安定した攻撃凌の大崎と、勢いで負けていない政所の一戦は、誰もが予想していた以上の一戦となったに違いない。
1Rから積極的に前に出る大﨑に、政所は随所でカーフ。2Rもアグレッシブさの目立つ大﨑が3Rはヒットが目立つように。タイトルマッチだけにRISEでは5R制となるため、次の4Rはここから大きく勝敗を分けるラウンドに。「相手は5Rの経験があんまりないですし、体力もあんまりない方だと思った」と読みの大﨑はさらに手数を上げて、政所を追い込む。劣勢の印象の強く、後のない政所は打ち合い覚悟でパンチを出すが、一貴は冷静にパンチを当てて主導権を譲らず。判定で大﨑が勝利したが、政所は最後まで気持ちの見せる戦いを見せたことでRISE史に残る激闘となった。
大﨑と並ぶRISEの53kgのトップ、田丸は韓国の強豪、ジョン・ヒョヌを1RKOしたことで、今後、大﨑との対戦の可能性も出てきた。また、フライ級では那須川天心の弟・塚本望夢が僅差の判定勝ちでリベンジに成功。この日、タイのスドローのテクニックに翻弄されながらも最後にきっちりとKOで仕留めたRISEフライ級王者・数島大陸に、龍心がタイトルマッチをアピールしたことを受け、数島は承諾するなど、軽量級戦線もまだまだ終わらないストーリーが続く。
軽量級だけでなく、その上の階級の王者勢も“対世界”をテーマとした戦いへ。RISEライト級王者・中村寛はタリソン“Crazy Cyclone”フェレイラの強打に苦戦しながらも3R終了残り2秒で左ハイを決めて完全KO勝ち。RISEライトヘビー級王者・南原健太は1Rにダウンを奪われるも3Rに極真ラッシュで逆転KO勝ち。RISEスーパーフェザー級王者・大雅はスペイン強豪ダニエル・プエルタスに大差を付けて判定勝ちし、世界に向けてRISEの強さを発信した。
同大会で53kg最強を証明した大﨑は、RISEバンタム級王者で弟の孔稀と共にが「兄弟で乗り込んでONEのベルトを持ってくるので楽しみにしていてください」と宣言。また7月20日にオランダ・ロッテルダムで開催される『GLORY』に原口健飛が出陣、ペットパノムルンのGLORY世界フェザー級王座に挑戦。女子では、ONE世界王者ペッディージャーとの対戦をアピールするRISE QUEENミニフライ級王者・小林愛理奈がいる。RISE最強への証明。対世界に向けて、時は来た。